見知らぬ街に落ち着くまで
観光地に向かって、綺麗な場所ばかりを見ていると
なぜか不安な気持ちになってしまいます。
人間がいる、と思えなくなってしまうのです。
人の姿をしたものは歩いているけれど、
知らない街は降り立った途端
何の問題もない街のように感じられて、
そしてガイドブックはその町の「とっておき」を見るだけで
時間を一杯に埋めてしまうので、
そんな良い面ばかりの街には
様々な感情を持ち込んだ自分の居場所がなく、
困った人や辛い人の居場所もまたないような気がしてきます。
人の住む街には
多かれ少なかれ何らかの問題を抱えていて、
いつもそれが見えていればいいというわけではないのですが、
人間が一片の曇りもないと無心に信じ切ってしまう世界より、
人にはこんな面もあるよね、と思えるほうが
不思議と安らぐのです。
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