日曜日, 12月 31, 2006

瀬戸内晴美と瀬戸内寂聴

じっくりことことがよい煮物の鉄則、
という不文律のようなイメージを振り払って、
「実験的に」思い切って圧力鍋で
黒豆を炊いてみました。

煮方は黒豆を買った袋の裏に書いてあって、
水6カップ、砂糖150g、塩としょうゆが小さじ1/2をはかり、
水を沸かして砂糖と塩としょうゆをいれ、
沸いた中に黒豆を放り込み、
そのまま一晩おく、とありました。

袋の記述ではそのあと水を足しながら4時間煮込み、
さらに一晩おくようにとあったのですが、
そこまで待っていられないなと思い立ち
圧力鍋で沸騰後12分加圧して火を止めました。

豆がしわになるとか、ふっくら煮えないとかが
成功と失敗の基準点で、
豆はしわにならず、皮も破れず
つやよくふっくら仕上がりました。
来年から圧力鍋で黒豆を作ろうと自信がつきました。

瀬戸内晴美、とは瀬戸内寂聴さんが
仏門にはいられる前の作家名で、
「愛の倫理」という本を
18切符で神戸へ向かった時、
駅のガード下の本屋で手に入れました。

女性が働くことの難しさとともに、
結婚と離婚を経験し、道ならぬ恋をし、
様々な人の像を経験した中身が綴られています。

仏教の本の中に、
「迷いや過ちから仏の種が生まれる」というくだりがあって、
仏教では成功や失敗や善や悪と「決めてしまう」ことがなく、
縁起の不思議を説くその様は
強い迷いの中から自分の行いを元に身をもって一つ一つ確かめ、
道を求め続けた「晴美さん」だから
人の心に訴える優しさを持つ「寂聴さん」になれたのだろう、と
ふと得心したような気がしています。

安らかさ、という言葉を元に、
迎える年をよく過ごせますよう
いつも願っています。

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