木曜日, 12月 08, 2005

車のおもちゃ思想

畑村洋太郎さんの講演
「失敗学のすすめ」を受講しました。
成功や失敗の取り扱いについて実に深く掘り下げた見識と
とにかく現地・現物で取材を重ね
たくさんの人に会う力をもっていることに
強く感銘を受けました。

日記はいつも通り、思いついたことの
書き連ねです。

車のおもちゃが大人も面白いと感じるのは、
そのおもちゃを拡大したり精緻化したところに
本物の実体が存在するからではないかと考えています。
盆栽が美しいといいますが、
あれはおもちゃ的な小サイズの精密さを楽しんでることと、
雄大で厳しい自然に支えられた巨木のエッセンスが
凝縮して映りこむからだと思っています。

さまざまなイメージを支える実体、
それは実業と虚業の関係にも似ています。

複製に戸惑いを覚えることがあって、
デジタルデータの中では氏名も会社も
一発でコピーできてしまいます。
それでなんとなく手書きのような手順を踏まないのが
失礼に当たるような気分になることがあります。
ところが貰うほうにとっては
それがどのような過程を経て製作されたかということが
重要である場合とそれほど重要でない場合とがあります。

作る側の戸惑い、
裏方を知るものの戸惑い、それは
美しく理論的な一面だけを知ることだけでは済まない者が
共に感じる迷いのようです。

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