月曜日, 12月 26, 2005

是と非のスタンダード

自然から離れた労働、
機械生産や情報処理、を担当していると、
信頼性の度合いが自然労働に比べて桁違いに上げられています。
たとえば、昼という時間は1日の1/3しかないし、
晴れた日中は1年のうちの3割くらいしかないのです。

問題は人間が同じだけの信頼性を出そうとした場合、
人間そのものは自然から生まれたものであるために
信頼性を確保するのは非人間的な作業だったりします。

是非、という言葉は
是が非でも、という言葉の短縮で、
この意味を良く考えます。

栄養学というものは今ひとつ要領を得ません。
油が体に悪い、という理由しか大抵出てこないのです。
そんな中でキューピーのHPには注目したい記事があります。
http://www.kewpie.co.jp/know/magazine/releace_30.html

脳は脂肪が50%もあって、
コレステロールの20%が集中しているのだそうです。
蛋白質のかたまりのイメージがありながら、
実は脂肪の方が量が多いのです。

油は体に必要であるからこそ食の満足感を高めます。
だからあく抜き、油抜きをたくさんする日本食は
西洋食に比べて満足感が低いのです。
子供がハンバーグが好きなのは、それが子供だからではなくて
人間の節理にかなっているからです。

しかし一方で、油は消化器にとっては負担です。
理由は分子量が大きいからで、
主に肝臓が分解の役目を果たします。
そういう意味で油のとりすぎは体調を崩す原因になります。
体調の崩れは脳にとって負担になります。

部品にこだわる、ではなくてシステムとして思考する、ということを
何かの対象で身につける必要があるのではないかと思います。

たくさんの本は読めませんが、
いくつかの読んだ本の共通する一節を
ネットワーク状に思い出すことがあります。

「車はこうして作られる」の一節で、
ホンダがV10エンジンを開発していたときのことが載っていて、
エンジンとしての出力限界を出し切るために
システムを設計する、という思想から、
「速く走るための車を作る」という目的から
エンジンを見直す思想へと変化したという
パラダイム・シフトが起こった時期があったのだそうです。

畑村洋太郎「失敗学のすすめ」でも、
局所最適、全体最悪というキーワードが出てきて、
全体への影響を考慮せずに一部分だけ改善してしまうと
取り返しのつかない事態になるとあります。

システムフローであれば線形計画法、
フィードバックであれば制御理論で
全体を見る道具立ては与えられます。

昔の人は「大局を見る」という表現で
このことを言っていたのかもしれません。
分業化によって著しく生産性が上がった文明社会では
各人間が忠実な要素=コンポーネントとして
振舞うことが必要とされ、
最初に全体像の理解を求められない場合があります。

しかし社会としては要素であっても
個人としてはいろいろな要素の集合体であり、
生きている時間は大きなシステムでもあります。
その全体を見て、今の自分に何が最適かを探ることで
次第に「自分に必要なこと」は見えてくると考えます。

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