月曜日, 5月 22, 2006

人間にとっての距離とは、精神的な近しさの度合いである

地図を見てびっくりするぐらい遠いなと思った道のりでも、
なぜか歩いてしまうと簡単に着いてしまいます。
これは歩かないことで距離の感覚が分からなくなっているせいで、
メンテナンスも必要です。

隣町でも行ったことがない場所は遠いものです。
「知らないこと」と「知らない場所」の概念は
まったく一致します。
どちらも、初めて通過する直前での想像では
途方もなく遠く長く感じるのです。

知らないこと、知らない場所へ行くためには
どんな人でも最初は勇気が必要です。
知らないことを何度も繰り返すうち、
「知らないこと」という一般的な事象に対して
どのような姿勢で向かえばいいかが分かってきます。

ふと冒険がしたくなって、でも躊躇して諦めてしまっても
特に自分を責めることはありません。
にわかに冒険に行きたいと動かずに息巻くぐらいなら、
行けない自分を認めてしばらく閉じこもっていれば、
退屈して出たくなるものです。

冒険が要請されることがあります。
仕事においては未知のものに挑むことで新しい市場を開くため、
対価を受け取って冒険をすることになります。
そのうち冒険が嫌いになってしまうこともあります。

未知の世界へは要請されていくものではありません。
自分が望んで冒険を挑んでも断念することさえあるのだから、
人に頼まれたぐらいの動機付けではエネルギーが足りなくなるのです。

冒険にだって練習が必要です。
チュートリアルのように分かっている場所を数回めぐって、
自分で探すべき項目を覚えていきます。
小さな冒険ができるようになれば、
大きな冒険をするチャンスも生まれます。

小さな場所での小さな失敗は、
大きな場所での大きな失敗を避けるために便利です。
失敗が悪のように決め付けてしまわず、
どのくらいの失敗までは起こりうることにするか、
それは物を作る人間にはいつも気にかかっていることであって、
この話題を問いかける、というのが
意識に対するひとつの試金石のようだと感じています。

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