木曜日, 10月 18, 2007

虚業の診断と治療法の開発

普段「すき屋」に行くことが多く、
夜中3時にめずらしく吉野家に行きました。
激しいコスト競争は一段落したのか、
夜中は牛丼を売らず代わりにすこし割高な牛焼肉丼を売っていました。
味が気に入ったのでしばらく通うかもしれません。

「内科学」はからだの内側の状態を外側からの観察と
なんらかの低侵襲サンプル採取によって診断を行います。
名医がその経験から苦痛なく診断を下せるように、
この国のシステムも名医を選んで低侵襲の診断を行えればと思います。

やぶ医者が診断を行います。

経済変動が大きい世界というのは通貨の保持と放出の量が異常であって、
言うなれば多血症と循環不良です。
通貨を何にたとえるかはいろいろなのですが、
よく血液にたとえられます。
血液の一部、栄養素が多すぎるとシステムは蓄積をはじめ、
人であれば血液そのものではなく脂肪を蓄積しますが、
通貨自体は何らかの要素に変換しなくても蓄積できます。
そして金本位制から離れた通貨は純粋概念に近い存在で、
その全量はもはや計算機上の数字として保持されるのみです。

虚業は経済のバッファ=緩衝材として機能するものであって、
それはあるサイズと能力を維持する限りにおいて、
経済全体というシステム保持の上で必要な機能です。

虚業が通貨を流通させないというのを何にたとえるかは診断が難しく
人で言えばメタボリックな状態か血腫ができた状態かがん化した状態の
いずれかに相当すると考えられます。

イメージとして持たされているのはがん化した状態で、
とにかくそれを消してしまわないと良くならないという向きがあり、
しかしその機能の必要性からがんと共存するわけではないと考えます。

いくら体に脂質のエネルギー源がついていたとしても、
いきなり食べるのを止めてしまうと生きられなくなってしまいます。
ダイエット中に食べたい誘惑が生じるように、
虚業の縮小化には「それに抗うような」誘惑、
贅沢や蓄財や快楽の誘いが出ることになるところも同じです。

ダイエットには二つの段階があって、
まず体重は変化せず脂質が筋肉質に置き換わり、
次に消費能力の高い筋肉質のスリム化が生じます。

消費能力の高い筋肉質に相当するのは
おそらく「人的財産」の活用、つまり物質生産を伴わない
サービスによる個人への直接的還元と、
「知的財産」の生産、つまり人的資源を多く必要とし、
かつ生産の量ではなく質を高めることによる
個人への直接還元が考えられます。
もちろん、それを支える骨格である一次産業の生産と地産地消、
知的財産を展開する二次産業の生産もある割合で必要です。

もし血腫だと診断された場合、治療法は複数あって、
蓋をして上手に焼き切るか、
一度体外に血液を移し総量を減らしてから
血腫を縮小させて戻すことになります。

見立ては焼き切った場合に失う血の量が多くて危険だ、という診断があり、
しかし瀉血は貧血になるという心配があり、
腫れ物のように慎重に扱われる傾向にあります。
この時血腫は蓋をして少しずつサイズを小さくし、
成分をバイパスして肉体に戻す必要があります。

おそらく虚業の人は「血腫」と見立てを欲しがり、
慎重な治療をするよう望むのかもしれませんが、
実施に当たっては「メタボ」と見立てておく方がよいように思います。
クランケが欲しがる見立てをあてても構わないのですが、
それではシステムが停止してしまい
元も子もなくなってしまいます。

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