金曜日, 3月 04, 2005

忙中閑有り

デスクには万年筆が置いてあります。

万年筆は上手に取り扱わないとインクが飛んでしまいます。
心を落ち着けて文字を書こう、と
思っていることが必要です。

良い言葉を知りました。
「忙中閑有り」というので、
世俗が忙しそうに見えても、そのどこか、あるいは自分の心の中には
余裕が生じているものだ、という意味に捉えました。

人前でスピーチをする手前の数時間を考えてみると、
人前に出る前に自分のテンションが低かったり、
頭の中でうまくいくイメージが湧いてこなかったりすると
よく焦ります。
この状態を引きずったままスピーチが始まったら
本当にうまくいかないんじゃないかと心配するからです。

それで一生懸命テンションを上げようと自分をせきたてて
瞬間湯沸かし器的な緊張感を持たせてみるのですが、
それでテンションが上がっても、
完全にベストな状態にはなかなかなれません。

加速器はいくつかの性質の違う加速器を繋いで使います。
低エネルギーの状態から高エネルギーの状態まで、
それぞれにあった加速器を通しながら
順序良く荷電粒子を加速していくのです。

その様子を見ながら、
超高エネルギーの世界でさえ
順序良く手順をたどる必要があるのだから、
自分の気持ちも少しずつ持ち上げらればいいんじゃないか、と
最近思うようになりました。

インスタントラーメンは確かにお湯を入れて3分で出来上がります。
でも工場のラインの上では、
普通のラーメンよりはるかに多くの工程と
長い製作のべ時間がかかっているのです。
そういう意味ではちっともインスタントではありません。

何かを高速に処理するにはそれなりの「仕掛け」が必要で、
その仕掛けを作るのにはやっぱり時間がかかるのです。

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