火曜日, 9月 13, 2005

同時だと思っているものに対する、タイミングのずれ

「反省しないアメリカ人を扱う方法」という
アメリカ人自身が書いた本があって、
ちゃんと評価してあるのかな、と思ったら
だいぶアメリカ人を弁護した書き口になっていて、
やっぱり反省しないアメリカ人だなあ、と
少々おかしくなりました。

そういえば、
おかしいという言葉は
「面白いさま」と「異常なさま」を表すのに使います。
面白いと言う言葉は
「笑いたくなるさま」と「興味深い」を表すのに用います。
たのしいのなかにも
「楽しい」と「愉しい」があります。
"fun"や"enjoy"のように
純粋に楽しみを抽出した言葉が日本語として必要であるように感じます。

脳科学の本の話題が最近多いのは、
なんだか頭に残っているからで、
見ている現象を人間が感知するまでに
最低0.1秒かかるのだ、というのは、
どっきりカメラのスローモーション写真を見ていると
よくわかります。
顔にカエルが張り付いてから少し間をおいて
人が慌てふためくさまを
ちょっと不思議に思っていたところでした。

しかし、半導体産業のマザーマシンで使うような
表面粗さがナノメートルのすごい精度の平板を作る段階では、
人の手がどうしても必要になります。

人間には機械のような正確さがない、
人間は機械よりも精密である、
この言葉はどちらも正しいものです。
しかし時間に関してはあまり当てになりません。

音楽にあわせて踊るロボットを作ればわかることですが、
音楽と同時に手足が動いているように見せるためには
音楽よりもほんの少し早めに動力を発生させる必要があります。
ということは、
ダンスと言うのは現象を先読みして早く動いていることになります。

バッティングセンターでバットを振っていて、
なぜかボールにバットが当たらないときに、
ボールが飛んできたのを目で確認してからバットを振るのではなく、
飛んできそうなタイミングを予想してバットを出し始める、という
普通に誰でもできそうなことで悩み発見をしたことがあります。

言葉を認識するソフトでは、
まず数秒の音波を記憶した後で、
単語に直し、意味を考える動作を行います。
少なくとも人間はこれより高度なことをしていて、
音波を聞きながら先読みをして
残りを早く補完しようともします。

この話をもうすこし拡張すると、
人間がなにか現象として行動を起こすときには
その前に十分な気持ちの発生が必要であることがわかります。

最近の研究では、ちょっとうろ覚えですが
コーヒーを飲む動作をする数秒以上前に
「コーヒーを飲む動作をする」という指令が
脳からは発生しているのだと言います。

「今は一瞬しかない」というとき、
科学の言葉では
一瞬の定義は無限小の時間を指すのですが、
どうも人間はかなり幅の広い時間帯を纏めて取り扱っていて、
同時という言葉さえかなり緩やかな定義で済みそうです。

一瞬を大事に、とは言っても
ほんとうの一瞬では何も思考できなくて焦り、
数秒から数十秒の自分がまとまった一瞬だと思えるだけでも
気持ちはなぜか緊張から救われる気がするのです。

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