日曜日, 12月 05, 2004

ある仮説に基づいた未来予想

冬なのに日向ぼっこができた午後、
病院の玄関先のベンチで工作のおじさんと話をしながら、
すっかり顔がおひさまで温かくなってしまいました。

日本は戦後人口が増え続けました。
それで1億3000万人ぐらいいる勘定です。
ところが出生率がどうこうという話になって、
これから日本の人口は少し減ることになるようです。

文明について時々考えている、
「時代によって変わらないきまりごとのようなもの」、が
なんとなくまとまりました。

・正常な世界では”進化する”ものを選ぶようにできている
・次の世代は、必ず今の世代を超えるように振る舞う
・ただし、それが可能なのは”継承”ができた場合に限られる

ピラミッドの話を聞きました。
エジプト文明には高度な数学や天文学、物理学が存在し、
それがゆえに多くの人の安定な生活が成立したのですが、
人口が「何らかの原因で」なくなるか減るかすると
文化や技術が継承できなくなってしまいます。
多くの書物は後の世に現在の「生きる術」を記したものですが、
これも読む人の絶対数と継承原理がなければ役に立ちません。

この世の全てを手に入れたとしても、
地球に一人しか人間がいないのでは
それらの文明は意味を成さないのです。

歴史は繰り返す、とはよく言いますが、
これまでに人間が地球に60億人もいたためしはなく、
その世界はだれも経験したことがありません。
そして60億人が生きた知識として文明を継承しているからこそ
現代生活が成り立っているのです。

特に文明が進んだ、といわれる国において、
人口の増加は頭打ちになります。
ヨーロッパ諸国の様子があまり変化しないのは、
人口の絶対数が増えていないからです。

人が多ければ文明の速度が上がる、とすれば、
こんな仮説が成り立ちます。
もし、途絶えてしまった古代文明が仮に生き続けたとしたら、
飛行機の発明や宇宙旅行はもう1000年以上前に
実現していたのではないか、と考えるのです。

人が増えていく過程では、人は生存の競争を始めますが、
人が減り続ける過程では、人は継承をどうするか悩んできたはずです。

どんなに知識を蓄積しても、
人が少なければ、国力は下がるものなのです。

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