水曜日, 2月 16, 2005

恐怖によって人を動かしてはいけない

テプラで機器のコンセントに名前をつけました。

デスク周りにコンセントが16本ぐらいあり、
区別がつかなくなってきたためです。
テプラはバーコードも作れることを今日知りました。
情報管理にバーコードを導入しようと思っています。
コードはITFです。

テレビ局では、他局の不祥事やスキャンダルが起こると
声高に報道します。
フジ株が買われている状況については
NHKが当事者の社長を呼んでニュース番組でインタビューをするようです。

この「報道合戦」は、眺めていると
「自分の局だけ勝てばいい」と他局を蹴落とそうとする姿勢が見られます。
その放送がどれだけ醜く映っているかにはあまり関心がありません。

視聴料の議論では「公正で中立の立場をとる必要がある」と言いながら、
朝日新聞に政治とのつながりを指摘されると
民放ばりにラグビーの試合中継を勝手に変更する、
NHKがとった行動は模範に足る姿勢だとは思えません。

通常の市民にとって、通常行動とは肉体的な動きを指します。
「口が悪いけどいい人」という表現が成り立つのは、
言葉はがさつでも行動が細やかだったりするという意味です。

ところが報道にとっては言葉自体が「行動」に当たります。
ゆえに報道は「何でも言ってよい」状況は作れないのです。

ネットのリンクバナーを見ていると、
「隣のあの人はもう始めてる」というサブタイトルで
就職セミナーや転職サイトの斡旋を謳う宣伝が掲載されています。

この言葉、どこにも角が立たないようでいて、
脅迫めいた言葉に映ります。

隣のあの人がもう始めていて、
乗り遅れたらあなたは損をします、
だからあなたは一刻も早くこの情報を手に入れなさい、
そしてあの人に遅れないようにしなさい、
こう書けばとてもいやな感じが良く出せます。

イラク戦争には同じ論理が使われました。
海向かいの国がもう核兵器を生産していて、
ミサイルを打ち損ねたらあなたの国が被害を受けます、
だからあなたは一刻も早く派兵しなさい、
そしてあの国から戦力を剥奪しなさい、
こう書けば宣伝文句と先制攻撃が同一のものであることが
わかります。

魔女狩りにも同じ論理が使われました。
近所のおばさんがもうあなたのことを魔女と疑っていて、
黙っていたらあなたが魔女だと告発されます、
だからあなたは一刻も早く近所のおばさんを魔女と訴えなさい、
そして魔女をこの街から消してしまいなさい、
人が終わりのない不安に陥れられて、
結果として罪のない人がたくさん殺されてしまいました。

文化大革命にも同じ論理が使われました。
文化人はその知性によって中華の国を転覆させる可能性を秘めていて、
ぼんやりしていたら政権の座を奪われてしまいます、
だからあなたは将来の不安材料を粛清しなさい、
そしてあなたの政権を確かなものにしなさい、
毛沢東の被害妄想はこう訴えたはずです。

時々思うのですが、
一般の人たちに制御理論を教えるといいと思います。
フィードバックを元に動くシステムは、
ゲインが大きすぎると系が不安定になって破壊するのです。

現代人はおそらく、「知は力なり」を信じて
ひたすら情報を集めようと腐心しているように思います。
集めた情報をどうフィードバックすると安定化するか、という問題について
ほとんど誰も思いを寄せません。

わたしは、恐怖を原動力とした人の行動の誘導は、
それがどんなに良い結果を生んだとしても、
人に猜疑心を持たせ、無意識の恐怖を持たせる意味で
重罪だと思っています。

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